| 特別養護老人施設ひうな荘の皆さんと今月は「水面のペンスタンド」を作りました。
セッションに入る前に、参加者、スタッフ、全員で歌を歌い、和やかな雰囲気の中、作品作りにはいります。この日は、昭和初期に作られた「蛍」という美しい曲を歌いました。「蛍」が住む清流を思い浮かべていただき、この日描く水面につなげます。
ひうな荘は、90歳代の高齢者も多く、認知症が若干進まれた方もおられ、制作が始まると、不安そうに戸惑いの表情を見せる方が、ちらほら目につきます。そんな中、スタッフはやさしく寄り添い、励ましの言葉を掛け続けます。
この日、特に表情がかたいAさん。いくら声かけしても、どうしてよいか分からない様子。汚れよけに敷いてある新聞に「こんな風に描いてみませんか?」と私が何度も描いてお見せしお声を掛け続けるうち、ちょっと面白そうだと思ってくださったのか、Aさんのパステルを持つ手が、僅かに動き始めました。「そうそう!良い感じ。その調子!」ふとした拍子で描き始められたAさんに、心からその行為を肯定し応援します。時には行き詰まりながら、それでも見事に作品を完成されたAさん。 出来上がったとき私の顔をじっと見られた後、突然口元が緩んだかと思うと、初めて子供のようににっこりと、そして誇らしげに「できたよ」と言わんばかりの笑顔をみせてくださいました。心が通じあう瞬間です。
「いてくれてありがとう」感動でウルウルしながら、そんな言葉が心に浮かんできました。
これだから臨床美術士はやめられません。今日も参加者の皆さんから、たくさんの元気をいただいてきました。Aさん、そしてひうな荘の皆さん、ありがとうございました。 by R.S |